マインドフルネス (mindfulness)。最近少しずつ耳にすることが増えてきたことばです。シンプルに暮らすことや、日常のさまざまなことを丁寧にやってみることがテーマになっていて、「今この瞬間」を大切に生きることを指します。瞑想の実践や、近藤麻理恵さんのこんまりメソッドはとても人気があります。
マインドフルネスの起源は仏教ですが、ほとんどの宗教には祈りや瞑想の要素があり、日常の行動や思考から開放されて、人生や日々の何気ない瞬間に感謝し、広い視野をもってものごとに接するためのガイドとなっています。
なんだか精神世界を大切にするニューエイジ(New Age)のようですね?では具体的に、マインドフルネスとはどういうもので、忙しい現代人の生活とどう関わるものなのでしょう。なぜそれが大切で、どのように実践したらいいのか。心の落ち着きを導くガイドをご紹介します。
マインドフルネスの恩恵
マインドフルネス瞑想には、身体的健康、精神的健康を促進する様々なメリットがあります。ストレスや気分の落ち込みを軽減するだけでなく、集中力を高めて意欲的になることまで、マインドフルネス瞑想の恩恵は多岐に渡ります。
1. 不安やストレスを和らげる効果
私たちの多くは、不安や苛立ち、動揺や困惑、いつも何となく落ち着かない感じを覚えながら日々を過ごしています。そのようなストレスは頭痛や肌荒れを引き起こし、無意識のうちに歯を噛みしめたり、就寝中の歯ぎしりとなって現れることもあります。これら全ては、マインドフルネスを日常生活に取り入れることで、改善が期待できるのです。自身の考えや感情を敏感に感じ取って、今の自分を生きることができれば、自然と心が落ち着いてきます。
2. 眠りの質を高める効果
睡眠に問題を抱えている人は、それが自身の健康や精神面にどのように影響するか分かっていることでしょう。瞑想やヨガなどの心の安定をもたらす行いは、眠りを誘い、やがて、途中で起きることなく朝まで眠れるようになり、QOL(生活の質)を各段に向上させます。
3. 過度な体重増加を防ぐ効果
流行りのダイエットに飛びつくのはもうおしまい。ひと呼吸おいて、今を生きることに注力すると、減量の目的と目標が見えてきます。肥満女性に関するある臨床研究によると、マインドフルネスの実践は体重のコントロールに問題を抱える女性の食習慣を安定させることが分かっています。さあ!あとはスタートするのみです。
4. 集中力を高める効果
何かに集中するのが難しくはないですか?最近、物事に集中できなくなってきてはいませんか?今日のように物事がハイペースで進んでいく世界では、職場であろうと自宅であろうと、必要な時に集中することが難しくなってきています。
科学的研究によると、マインドフルネスの実践は集中するのに必要な筋肉の強化を助けるので、目の前の今やるべきことに集中することができるようになるということです。
5. 血圧を安定させる効果
高血圧が脳卒中や心血管疾患のリスクを高める原因の一つであることはよく知られています。これらは死因の二大原因なのです。血圧をコントロールする薬は数多くありますが、実はマインドフルネス瞑想にも血圧を下げる効果があることが分かっています。毎日薬を飲むより、副作用の心配がないマインドフル瞑想は、誰もが安心して実践できるセルフケアなのです。
マインドフルネスの実践
マインドフルネスの実践にはたくさんのメリットがあることが明らかになってきていますが、では、具体的に何をしたらいいのでしょう。瞑想のクラスに通ったり、日常の瞬間瞬間を意識して暮らしたり、その方法さえわかれば、マインドフルネスは誰でもどこでも実践することができるのです。コツ?積極的にマインドフルネスを取り入れることです。
1. スペースを確保しましょう
周辺環境や周りの雰囲気の影響は侮れません。マインドフルネスには静かで落ち着いた空間が必要です。自分の部屋などの落ち着いた場所で瞑想に集中すると、その場所に入る度に、あなたの心と体が自然とマインドフルネスと結びつくようになってきます。
2. 時間を作りましょう
マインドフルネスについて語ることと、時間を作って実際にやってみることとは全く違います。ちょうど、体形維持のためにジムに通い続けることと似ています。大切なのは一貫性なのです。
忙しい毎日の中で、マインドフルネスを取り入れることは簡単ではありません。頭を空っぽにして呼吸だけに集中する時間を作れたとしても、子どもがぐずったり、上司から着信があったりしたらそうもいきませんよね。
3. 「今」に集中しましょう
マインドフルネスで大切なのは、「今この瞬間」に注力することです。将来のことを考えて気をもんだり、過去のことでくよくよするのはやめましょう。あなたが手にしているのは「今」なのですから。
今を生きる最善の方法は、自身の呼吸に集中することです。気持ちが定まらない時は、「今この瞬間」に起きていることに集中してみましょう。呼吸に集中して、身の回りの音やにおいにも意識を向けてみましょう。そう、「今この瞬間」に起きていることを感じるのです。
ここで大切なのは、「今この瞬間」に存在していることに意識を向け、それ以外の思考や感情は持ち込みません。ただ、呼吸に集中するのです。
結局、あなたにできることが、あなたにとってのベストなのです。たとえ毎日5分であっても、通勤電車の中や、パートナーが家事をしている間のすきま時間など、ちょっとした時間でいいのです。続けていれば、気づいた時にはマインドフルネスの達人になっていますよ!